2次曲線上の有理点

岩波講座 現代数学の基礎の 数論1 (加藤和也)を少し参照する機会があったのでメモ.

この本では,

2次曲線 ax^2+by^2=c\ \ \ (a,b,c\in \mathbb{Q})に有理点(x,yの値が共に有理数の点)は存在するか?

という問題に照準を絞って,前半が書かれている.

割と重い本なのであるが,ここはサクッと備忘録.

まず,両辺をcで割って,ax^2+by^2=1について考察すれば十分なので,以下そうする.

そして,定理2.3 (p.79-83)

ax^2+by^2=1となる有理数x,yが存在するための必要十分条件は,(a,b)_{\infty}=1かつ,(a,b)_{p}=1が全ての素数pについて成立する.

ここで,(a,b)_{v} (vは素数または\infty )はHilbert記号というそうな.その定義は次のとおり.

(a,b)_{\infty}=1 (a>0 または b>0 のとき), -1 (a<0 かつ b<0 のとき)

p\neq 2のとき,(a,b)_{p} = (\dfrac{r\ \ {\rm mod}\ p}{p})

(a,b)_{2} = (-1)^{\frac{r^2-1}{8}}\cdot (-1)^{\frac{u-1}{2}\frac{v-1}{2}}

 ここで,平方剰余記号が出てきました.復習しましょう.
平方剰余記号の定義は
\exists x s.t. x^2 \equiv a \Rightarrow (\dfrac{a}{p}) = 1
具体的には,次のように計算します.
x^2 \equiv a\ \ ({\rm mod}\ p) \Rightarrow (\dfrac{a}{p})=a^{\frac{p-1}{2}}
そして,rとuとvの説明をします.
r=(-1)^{ij}a^i b^j = (-1)^{ij} u^i v^j
ここで,i,jは a=p^i u, b=p^j v\ \ (i,j\in \mathbb{Z}, u,v\in \mathbb{Z}_{p})
ここの\mathbb{Z}_{p}\mathbb{Q}の部分環で,定義は
\mathbb{Z}_{p}=(\dfrac{a}{b}\ \ {\rm for}\ a,b\in \mathbb{Z}) (ただし,bはpで割れない)です.
…分かりました!?
ここではx^2+y^2=3に有理点が存在しないことの証明をして,お茶を濁そうと思います.
まず,両辺を3で割り,\frac{x^2}{3}+\frac{y^2}{3}=1となる.
定理2.3を利用するために,Hilbert記号を調べる.
(\frac{1}{3},\frac{1}{3})_{\infty}=1
そして,p=3のとき,
a=b=3^{-1}\cdot 1(なぜなら,i=j=-1, u=v=\frac{1}{1})
r=(-1)^{(-1)(-1)}\cdot 1^{-1} \cdot 1^{-1} = -1
よって,
(\frac{1}{3},\frac{1}{3})_{3}=(\dfrac{-1}{3})=(-1)^{\frac{3-1}{2}}=-1\neq 1
これにより,有理点は存在しないことが分かる.
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