作用保存則

あけましたおめでとうございました.

最近Feynman経路積分を勉強していた.

Feynman経路積分は,量子力学的粒子が地点Aをt=t_aで出発し(この状態を\langle\phi _a |とかく),地点Bにt=t_bに到着する(この状態を|\phi _b \rangleとかく)確率振幅\langle\phi _a | \phi _b \rangleを次のように与える.

\langle\phi _a | \phi _b\rangle= \displaystyle \sum_{All path}\exp \Bigl[ \dfrac{i}{\hbar}S_{A\rightarrow B} \Bigr]=\sum_{All path}\exp \Bigl[ \dfrac{i}{\hbar}\int_{t_a}^{t_b} L dt \Bigr]

ただし,Lは粒子のLagrangianで,和はAからBを通る全ての経路についてとる.

気になったのは,\int L dtの箇所である.

Lagrangianはエネルギーであるから,単位は[J]

それを時間積分して,S[J \cdot s].これは”作用”という物理量らしい.”最小作用原理” とかのアレ.

そんな訳で,作用の次元はML^2 T^{-1}

Lagrangianの次元はML^2 T^{-2}.これを時間積分して,作用を得る.

ところで,運動量を考える.運動量Pの次元はMLT^{-1}.これを距離で積分すれば,計算上はまたもや作用を得る.

何だか,運動量で書き換えることが出来そうだ.

いくつか修正をしよう.距離積分というより,経路積分だ.そして,Pはベクトルで微小経路dsもベクトルだ.

すると,S =\displaystyle\int_{path}{\bf P\cdot ds}と書き換えることができそう.

Feynmanの経路積分は\langle\phi _a | \phi _b\rangle= \displaystyle \sum_{All path}\exp \Bigl[ \dfrac{i}{\hbar}\int_{A}^{B}{\bf P\cdot ds} \Bigr]となる.

このほうが,和も積分も経路で統一されていて分かりやすいと思うんだけど.

ただ,,運動量Pの経路積分?がちょっと分からない.

 

そこで,もう少し考えてみる.っていうか,運動量とラグランジアン(=エネルギー)って共通点ありまくるよね.

“運動量保存則”,”エネルギー保存則”

高校生の頃,これらが独立であることに何ら疑問は持たなかったけど,(2体の衝突問題でこの2式の連立方程式の面倒くささは高校物理髄一)

何だか,「この2つの保存則を1つの保存則で書き表したい」衝動に駆られた.

 

そこで,作用Sを次のように考えてはどうか.

S =\displaystyle\int_{path}{\bf P\cdot ds}= {\bf P\cdot s} + i L t

…複素数かい!! でも,確率振幅っていう前例があるし!!(虚数の理由は後述)

物理量Sとしては,Sの絶対値を取ることで無事に単位[J \cdot s]を得る.

さて,これの何が嬉しいかと言われたら,{\bf P}=\dfrac{\partial S}{\partial{\bf s}}, L=\dfrac{\partial S}{i\partial t} と逆に定義できることになる.

 

例えば,1次元上を等速直線運動する質量mの粒子を考える.粒子は距離xを時間tで進むとすれば,v=\dfrac{x}{t}

S =\displaystyle\int_{path}{\bf P\cdot ds} = m\int vdx = m\int \dfrac{x}{t}dx =\dfrac{mx^2}{2t}

すると,

\dfrac{\partial S}{\partial {\bf s}}=\dfrac{\partial}{\partial x}\dfrac{mx^2}{2t} = mv = {\bf P}は自明にしても

\dfrac{\partial S}{i\partial t}=\dfrac{\partial}{i\partial t}\dfrac{mx^2}{2t}=i\dfrac{1}{2}mv^2=iTにはちょっと驚く.(Tは運動エネルギー)

そうすると,運動量保存則もエネルギー保存則も一緒にしてしまって,

”作用保存則”と言えるのではないか.

運動量保存則とエネルギー保存則の独立性は,Sの実部虚部が保証してくれる.

そして,虚部を時間にしたのは,相対性理論の世界距離あたりからの連想である.

ふっは,これは面白いや.

…しかし,嬉しくなって波長\lambdaの光子に適応すると忽ち破綻する.

それは,単位に登場する時間が虚数単位でないからであって,時間の単位は[s](実数)というより[i s](純虚数)であって欲しい.

(確率振幅のような,複素数単位の物理量ファミリーをもっと増やしてあげよう!! 現実に観測するときには,例によって絶対値をとる.)

この要請(?)によれば,\nu\rightarrow\dfrac{\nu}{i}と書き換えられ,\nu\rightarrow\dfrac{c}{\lambda i}となるので,

運動量p=\dfrac{h}{\lambda},エネルギー\varepsilon=h\nu\rightarrow\dfrac{hc}{\lambda i}となって,

少しの計算の後,無事に”作用保存則”が成立することがわかる.

が,しかし

ここまで単位系を都合よく弄ればそりゃあ何でも出来るだろう,という気もしないでもない.

 

しかし,確率振幅以外にも複素数の物理量があってもいいと思うんだけどなあ.特に,時間が入った単位は割とガチで.

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