もしも零点振動がなかったら

絶対零度.

Absolute Zero -273.15^{\circ}C

それは熱振動が最小になって,原子が最低のエネルギーをとる状態(基底状態)である.

正確には,不確定性原理により原子の振動は完全には止まらず零点振動をする.

もし,原子核と電子が動きが全くなかったとしたらクーロン力によって,瞬時に引き寄せあう.一体これはどれぐらいの時間なのか考えてみた.

原子核の質量をM, 電子の質量をm, 慣性質量は\displaystyle \mu =\frac{Mm}{M+m}.水素原子と考えて,基底状態(s軌道)の半径はボーア半径a_B

運動方程式は\displaystyle \mu \frac{d^2 r}{dt^2}=\frac{e(-e)}{4\pi \epsilon _0 r^2}

両辺に\displaystyle\frac{dr}{dt}をかけて,時間で積分すると

\displaystyle\mu \frac{1}{2}\Bigl( \frac{dr}{dt} \Bigr)^2=\frac{e^2}{4\pi \epsilon _0 r}

移項して整理すると,

\displaystyle\sqrt{r}dr=\sqrt{\frac{e^2}{2\pi \epsilon _0 \mu}}dt

積分すると,\displaystyle\frac{2}{3}a_B^{\frac{3}{2}}=\sqrt{\frac{e^2}{2\pi \epsilon _0 \mu}}T

だから,\displaystyle T=\frac{2\sqrt{2\pi \epsilon _0 \mu}}{3e} a_B^{\frac{3}{2}}=1.139963\times 10^{-17}[s]

(クリックするとWolfram alphaの計算結果ページに飛びます.)

一瞬やな.しかし実際には温度を冷やしただけで,物質が消滅してしまうことはない.

ところで,温度に上限はないのか.

光速度不変原理によって熱振動が光速なら,それが上限値なのではないか.しかし,質量を相対論の考慮に入れれば,やはり温度に上限はないことが分る.つまり,「ローレンツ因子が温度に上限を与えない」のである.どのように上昇するか見てみよう.

熱振動エネルギーと運動エネルギーが等価となる時の条件からT(v)を求める.ただし,このとき質量は相対論的質量で考える.静止質量はm_0

\displaystyle \frac{3}{2}k_B T=\frac{1}{2}\frac{m_0}{\sqrt{1-(\frac{v}{c})^2}}v^2

\displaystyle T(v)=\frac{m_0 v^2}{3k_B \sqrt{1-(\frac{v}{c})^2}}

たとえばH^{+}なら,\displaystyle T(v)=3.6294\times 10^{12} \frac{x^2}{\sqrt{1-x^2}}(ただし,v=cxとおいた.0<x<1)

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