ギブスの現象

ギブス(Gibbs)の現象とは,関数f(x)の不連続点の近くでフーリエ級数が示す奇妙な振る舞いのことである.
次を見て欲しい.


f(x)=\begin{cases}  \dfrac{1}{2} & x = 2n\pi , (2n+1)\pi\\  0 & 2n\pi < x < (2n+1)\pi\\  1 & (2n+1)\pi < x < 2(n+1)\pi  \end{cases}
これは矩形波f(x)のフーリエ級数展開
\dfrac{1}{2}+\dfrac{2}{\pi}\left( \sin x +\dfrac{\sin 3x}{3}+\dfrac{\sin 5x}{5}+\cdots +\dfrac{\sin (2N-1)x}{2N-1} \right)をN=125として図示したものである.

不連続点で,少し大きく/小さくなりすぎて(オーバーシュート)からすぐさま収束している様子が見える.
不連続点から収束するまでのトゲのようなものはNをいくら大きくしても消えない!!,ということがギブスによって示された.
少し詳しく書くと,「幅は小さくなっても,高さは決して消えない」という迷惑なシロモノである.
フーリエ展開の負の側面である.
大学の講義では「フーリエ級数はすごいんだぞおおお」と良い面ばかり説明したがる教授らの下心によって,こうしたあまり都合のよくない話はしないらしい.
しかし,専門家の中ではギブスの現象は常識となっている.

そこで,このトゲの高さ\betaを評価したくなる.それはズバリ次の式で与えられる.
\beta =-\dfrac{d}{\pi} \displaystyle \int_{\pi}^{\infty}\dfrac{\sin y}{y}dy
ここで,dは不連続点におけるとびの大きさである.
なお数値的には,
-\dfrac{1}{\pi} \displaystyle \int_{\pi}^{\infty}\dfrac{\sin y}{y}dy=0.0894898722360836
と求まる.

上の矩形波なら,とびの大きさはd=1であるから,トゲの高さはおよそ0.09と評価できる.
つまり,フーリエ級数展開した関数はいつも不連続点近傍で9%の誤差が発生するらしい.

広告

ギブスの現象」への1件のフィードバック

  1. ギブスの現象か…。冬休みの宿題で死ぬ思いをしたことがある。

    因みに高い声(低い声)を出してるとき、いきなり低い声(高い声)を出そうとしたら
    一旦声が低く(高く)なって、そして高く(低く)なりすぎるのは多分ギブス現象。

    実はこのHPの更新を楽しみにしてます。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中