無次元量

前回の続き.

微細構造定数の話をしたら,無次元の物理定数って少ないなぁって話になった.

思いついた.アボガドロ定数はどうだろう?

高校化学で習う,モル(mol)の概念は分かってしまえば簡単.

言わば1ダースみたいなもので,原子を6.02214179 \times 10^{23}個集めたものを,まとめて1[mol]と呼ぶ.

だから,アボガドロ定数N_AN_A= 6.0 \times 10^{23} [mol^{-1}]と習う.

そして,こんな演習問題をたくさんこなした.

「炭素0.2 molの粒子数Nを求めなさい.」

N=n \times N_A=0.2 [mol] \times 6.0 \times 10^{23} [mol^{-1}]=1.2 \times 10^{23}

最後に単位はつかない.molmol^{-1}は打ち消しあう.

すると,この答えに意味を持たせることができなくなる.

おそらく,この答えは粒子の個数だろう.だから,アボガドロ定数の単位は[個/mol]とするのがよい.

ところで,物理には多くの単位が登場する.m,kg,J,V,A,H,T etc…

これらをなるべく少ない単位で記述することは物理学者でなくても考えつく.

そこで次元解析という考え方が生まれた.ここでは最もポピュラーなMKSA単位系をとる.

全ての物理の単位は全て m(メートル),kg(キログラム),s(セカンド),A(アンペア) で表せるという.

そして,長さの次元をL,質量の次元をM,時間の次元をT,電流の次元をAと書いて,単位の簡略化を行うことを次元解析という.

たとえば,力FはF=ma$からMLT^{-2}だから,仕事Wの次元はW=FxよりML^2T^{-2}

他には,電荷qはq=ItからAT.電圧VはV=Ed=\frac{F}{q}dだから,エネルギーUの次元はU=qVよりML^2T^{-2}

こうして,無事にこれら二つの次元が等しいことが示せます.

では,アボガドロ定数を次元解析してほしい.

[個/mol]…はぁ?

これは単なる比例定数だ.

なぜなら,粒子の数という意味でmolと個はどちらも同じ次元じゃないか.(MKSAでは表せないけど)

だから,これは単なる比例定数で単位はもちろん無次元.ほら,無次元の定数が見つかった.

でも,そう考えると無次元の定数って結構あるよな.比例定数とか余裕だろ.比誘電率とかラジアン(半径と弧長という長さ同士の比例定数)とか.

しかし,なんだか違う..

微細構造定数は,プランク定数とか光速とか誘電率とか電子素量とか,めちゃくちゃな量集めてきて無次元にしちゃってる.

こいつはやばい.まじヤバイ.

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